北前船による発酵食
Fermented Food culture brought by Kitamae-bune the Cargo ships in Edo era
北前船のルーツは小松にあり!
加賀藩前田家三代利常公が小松城に隠居した寛永16(1639)年に、藩米を下関を廻って大阪へ海路輸送したのが北前船の始まりとされています。北前船は江戸中期から明治30年代まで、日本海沿岸の諸港に寄港しながら、蝦夷(北海道)と大坂の間を往来した廻船です。その母港の多くは北陸地方の諸港でした。小松にも、寄港地として栄えた安宅町が残り、北前船との関わりが色濃く残っています。
北前船が運んだ交易品は北陸の発酵食を一変させました。その代表格が「ニシンと昆布」です。
現在では、ニシンとダイコンの麹漬けである「大根寿し」は、カブとブリを使って漬ける「かぶら寿し」とともに、現在も郷土の味になっています。
当時は正月用の珍味として魚屋が漬け込み、かぶら寿しは高い身分のものが食し、一般の人たちは大根寿しを食べたと言われています。小松では町衆文化が盛んなためか、大根寿しの方が一般的で、家庭ごとに大根寿しを漬ける習慣は今も受け継がれています。
もう1つの昆布は、寄港地が多い北陸の食文化と深く関わっています。北陸は昔から昆布の消費が多い土地柄で、特に小松では「竹の子の若竹煮」にはわかめの代わりに昆布を使い、「小松うどん」には昆布だしをふんだんに使う特徴があります。
ほかにも、長い航海時の保存食としてニシンやイワシ、サバ、フグなどを米糠と塩で漬け込まれたものが、現在では「こんかいわし」(イワシを米糠と塩で漬けたもの)やニシンの糠漬け、甘露煮などの発酵食として郷土の食文化に定着しています。
<主な製造販売店>
① すみげん 0761-22-4214 小松市三日市町9
② あきや 0761-22-0246 小松市梯町イ61-1
③ (有)まるしょう 0761-21-9655 小松市安宅新町ナ11-1
④ (有)角源海産 0761-24-3533 小松市本江町ホ1
北前船による発酵食に関する記事は、こまつもんvol.2 16ページ、vol.5 4ページ、vol.10 2ページ参照