懐石料理と会席料理
A traditional Japanese multiple course meal
美しい九谷焼との融合による芸術の精華
懐石料理は茶事の一環であり、かつて僧が飢えをしのぐため、暖めた石を懐に抱いたことに由来しています。あくまで茶を喫する前の軽い食事として、一汁三菜(吸い物・刺身・焼き物・煮物)の形式をベースに、お茶を楽しむための食事です。茶事以外の場で供される会席料理との混同を防ぐため、茶事目的の懐石は「茶懐石」とも言います。
茶事目的の懐石に対し、会席料理はもともと連歌や俳諧の席のことを指します。
会席料理は一汁三菜を基本に、お通し、揚げ物、蒸し物、和え物、酢の物などの酒肴とともに、最後に飯、味噌汁、香の物、水菓子などが供され、主に酒を楽しむための食事です。
一方、加賀百万石の文化と融合して絢爛豪華に磨き上げられた九谷焼は、明治から大正時代に「ジャパン クタニ」と世界に賞賛されるほどに、日本を代表する色絵陶磁器としての地位を確立しました。芸術性の高い九谷焼は、小松の地に根付いた懐石・会席料理と融合し、料理の世界に高い美意識をもたらしました。「赤、黄、緑、紫、紺青」の鮮烈なる九谷五彩の輝きは、料理の色彩や季節感を美しく引き立て、芸術作品のように美しく仕上げてくれます。