石工
Mason
石文化を支え続ける、現代の石工
こまつの石ブランドの原点は、今から2300年前の小松の弥生人たちの加工技術で生み出された碧玉のアクセサリー。権力の象徴であった「碧玉」アクセサリーは日本海交易を経て九州へと届けられ、弥生の王たちを魅了しました。その後、古墳時代の石室、戦国〜江戸時代の城壁、明治時代の九谷焼、江戸後期〜大正時代の金・銅の採掘など、いつの時代も小松の人々のモノづくり技術は全国で重宝されてきたのです。
小松市滝ケ原町の石材彫刻師・中谷篁(なかやたかむら)さんは、石材彫刻に従事し六十余年。小松の石文化を継承し、手仕事で石を彫り続ける県内でも数少ない石工の一人。平成23(2011)年に「ふるさとの匠」に認定されました。黙々と石を削り、細部を丁寧に整え、表面を砥石(といし)で磨き上げる。無機質なものから作品を生み出す地道な作業ですが、石が「こう彫ってくれ」と呼び掛けてくるように感じるときがあるのだそう。丁寧なものづくりを続ける匠の存在こそが、今も“小松ブランドの石”が国内外で求められる理由です。
また、小松市の石切り場から切り出された石材は、市内建造物を始め、国会議事堂や甲子園会館など全国数々の有名建造物に使用され、街の景観や豊かなくらしに貢献しています。