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食ブランド

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FOOD_VOL.1

小松市が誇る「食ブランド」を紐解く

小松市は、いつだって豊かな自然に見守られている。

霊峰白山から湧き出る清らかな水、たくさんの緑と肥沃な土壌。そして、農業に適した気候。人々はこの自然に安心と安全を委ね、向き合い、「こまつもん」を生み出してきた。自然と人の共作である「農作物」、語り継がれる「郷土料理」、歴史とアイディアで生まれた「ご当地グルメ」。小松市が誇る「食ブランド」を紐解いていく。

「安心・安全・おいしい」小松の農作物

豊かな自然に恵まれた環境と携わる人たちの丁寧な姿勢によって、「安心・安全・おいしい」農作物は作られ、愛されている。

 

例えば「小松とまと」。

 

昭和30年代から作り続けられ、年間1500トンものトマトが出荷されるまでになった。今や石川県内最大、北陸でも有数のトマトの産地。農薬を最大限に減らしたハウスでの溶液栽培によって作られたトマトは、栄養をグンと吸って味が濃く、酸味と甘みのバランスが抜群!農家同士で勉強会を開き、お互い切磋琢磨しているから技術はどんどん上がる。それに、「小松の農家は元気がある」、「都会からUターンをして農家を始める人も増えているし、年配者も若いひとも頑張っているので畑が活気で溢れている」とJA小松市の職員は言う。

受け継がれる小松の味。郷土料理で伝えること

大根寿司

小松の郷土料理といえば、大根とニシンを麹でつけた「大根寿司」がある。北前船がもたらしたニシンが発酵食になり、加賀大根と身欠きニシンで作る大根寿司が誕生した。大根のシャキッと感とニシンの甘さが優しい、寒い季節の郷土料理。1週間から10日ほど漬け込むことで完成する。

 

他の側面から見ると、「報恩講料理」も郷土料理のひとつだ。晩秋、浄土真宗の父と言われる親鸞聖人の遺徳を偲んで営む「報恩講(ほうおんこう)」という仏事がある。この法要のあとに振舞われる精進料理が400年も前から受け継がれている「報恩講料理」。小松では親しみを込め「ほんこさん」と呼ばれている。御膳は、野菜の煮物や和え物が中心。豆腐入りの小豆汁と、ぎんなん、きくらげ、蓮根、しいたけなどの具が詰まった「三井寺」と呼ばれる大きながんもどきは、親鸞聖人の大好物だったそう。手間暇かけた報恩講料理は、小松市民の普段の食卓にも定着している。

そうやって受け継いできたものが今、土地の活性化にも繋がることもある。小松市は、面積の7割が里山。その里山の活性化に取り組むべく、「こまつSATOYAMA協議会」(現:里山活性化協議会)は市内の里山地域で収穫されたお米と具材で作るおにぎりを「小松里山むすび」と名づけ、市内外のイベントに出店。里山むすびは、里山独自の握り方でバリエーションは様々。豊かな自然と白山の清らかな水で育ったお米、四季折々旬の地場食材を使った具材のおいしさは折り紙付きだ。地道な努力が里山の魅力を伝えている。

歴史ある“小松らしい”ご当地グルメ

ご当地グルメという言葉は、とても現代的な気がしてしまうのだが、小松のそれには歴史がある。

松尾芭蕉も称賛したと言われる「小松うどん」。始まりは江戸時代にまで遡る。元禄二年(1689年)『奥の細道』の旅の途中、小松の俳人・塵生(じんせい)が届けた乾うどんに「実に珍敷(めずらしき)乾うどんをありがとう」と芭蕉が書いた返書が残されている。小松うどんの特徴は、細めで程よいコシがある麺と、霊峰白山の伏流水を用い、魚の節や昆布を使った口当たりの良いあっさり出汁。小松うどんのブランド化を担当する「小松うどんつるつる創研」が「小松うどん定義8か条」を定め、今、それを満たす70を超える店が互いに切磋琢磨しながら、小松うどんを提供している。

そして、今や県外からもファンが訪れる「塩焼きそば」。60年前に一軒のお店の店主が“まだ小松にない味”を求めて中国各地、日本全土を旅した。そこで「チャーメン」を見つけ、おいしさを追求する中で今の味に行き着いたそう。

 

そのほかにも、規格外になってしまった小松とまとで作った「トマトカレー」や「かに甲羅揚」など、小松には密かなグルメが沢山ある。お土産品としても大人気で、道の駅や空の駅こまつ(小松空港)で出会えるはず。
小松で作ったものから、また小松を代表する「食」が生まれる。携わる人たちが互いに高め合って、もっと美味しくなる。そんな“メイド・イン・こまつ”の食ブランドの一つ一つを丁寧に紹介していく。

小松市が誇る「食ブランド」を紐解く

霊峰白山から湧き出る清らかな水、たくさんの緑と肥沃な土壌。そして、農業に適した気候。人々はこの自然に安心と安全を委ね、向き合い、「こまつもん」を生み出してきた。自然と人の共作である「農作物」、語り継がれる「郷土料理」、歴史とアイディアで生まれた「ご当地グルメ」。小松市が誇る「食ブランド」を紐解いていく。

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